兵庫県加西市にある鶉野飛行場跡地をご存知でしょうか?
鶉野飛行場跡は「特攻」の訓練をして、63名の特攻隊員が飛び立っていった飛行場で、1200mの滑走路や防空壕や弾薬庫などの戦争遺産が当時のまま残っている全国でも珍しい場所です。
鶉野に関する資料は終戦後ほどんどが焼却処分されたため、半世紀以上もの間、多くの人々の記憶から忘れ去られ、現在でも知る人ぞ知る場所となっています。
今回は、鶉野飛行場跡地がどんな所なのか、実際に行った感想をお伝えします。
本記事を書いている僕は、海外建築旅というテーマで、過去に30か国以上訪問してきた経験から、旅のコツを経験をもとに得た情報を発信しています。また、お金をあまりかけずにお得に生活するコツなども紹介しています。
目次
ではさっそくみていきましょう。
鶉野飛行場って?
鶉野飛行場跡は、第二次世界大戦の戦局が悪化しはじめた頃、優秀なパイロットを養成するため、昭和17年に着工し、昭和18年に完成した旧日本海軍の飛行場跡です。
飛行場の西南には、川西航空機姫路製作所鶉野工場があり、「紫電」「紫電改」など 500機余りの戦闘機が組み立てられていました。
当時の姫路海軍航空隊では、全国から集められた17歳から25歳までの若者ら500余名が30時間の飛行訓練を受けて全国各地の航空隊へと配属され、昭和20年には、教官と練習生による神風特別攻撃隊「白鷺隊」が編成し、終戦までに63名の尊い命が失われたそうです。
今は、飛行場跡は加西市が管理しており、一部は神戸大学大学院農学研究科の敷地として利用されています。
アクセス
中国自動車道加西ICを出て左折し、南へ約3キロ直進、フラワーセンター前交差点を左折、約500メートル先、フラワーセンター南入り口手前を右斜め方向へ約2キロ進むと滑走路跡に到着します。
電車でのアクセスも可能です。
JR加古川線粟生駅から北条鉄道に乗り換えて、法華口駅で下車すればOKです。
訪問記:防空壕や爆弾庫などの戦争施設が点在
鶉野飛行場跡地周辺には現在も当時のままで防空壕や機銃座、滑走路など多くの戦争歴史遺産が残されています。
滑走路周辺にかたまっているので徒歩でも散策できますが、山道を歩いたりする所もあるので、歩きやすい靴で訪問することをおすすめします。
散策のガイドとして加西市から提供されている加西市歴史遺産散策ナビをダウロードして散策するとわかりやすいです。
歴史遺産の紹介・説明・マップ表示のほか、普段公開されていない巨大防空壕・対空機銃座の内部を360度VRで再現、3D映像による解説を見ることができます。また所定のQRコードを読み込むことでクイズが表示されるなど歴史遺産を楽しく学ぶ機能が満載です。
鶉野飛行場滑走路跡は広大
当時のままの滑走路跡が残る、全国でも 貴重な戦争遺跡です。
全長1200m、幅60mのコンクリート滑走路で、紫電改の飛行にも使用されていたのです。
また、気球の飛行に適した場所であり気球の聖地としても有名で、気球があげらています。
鶉野平和記念の石碑
尊い犠牲の上に築かれた平和が永遠に続くことを願い、平成11年、元隊員やご遺族、地元有志等により建立されています。
旭日旗が掲げられています。
石碑の裏には姫路海軍航空隊、川西航空機の沿革や鶉野飛行場の建設を支援したくれた説明書きがありました。
巨大防空壕跡(自力発電所跡)
長さ14.5m、幅5m、高さ5mの空間を持つ基地内最大のコンクリート製防空壕です。自力発電所として使用されたといわれており、外部は小山にカモフラージュされています。
この防空壕内では、第二次世界大戦末期、姫路海軍航空隊特別攻撃隊「白鷺隊」に所属した隊員たちが残した遺書を映像にて公開されています。階段を降りていくと大きな空間にたどり着きます。
無料で見ることはできますが、事前予約制となっていて、加西市のホームページで申し込みする必要があります。
上映日と上映時間は以下の通りです。
空きがあれば予約していなくても入れました。
対空機銃座跡
攻撃してくる飛行機を迎え撃つための機銃座で、1 分間に230発の弾を5,000mまで発射できたそうです。地下室も含め、完全な状態で残っていました。
爆弾庫
砲弾、爆弾、戦闘機に装備した機銃弾や燃料が貯蔵されていたといわれています。コンクリートの壁は70cm、天井は1mの厚みがあり、1t爆弾にも耐える構造となっています。
当時この周辺には3つの爆弾庫があったみたいですが、現在この1つしか残っていません。
門柱・衛兵詰所跡
姫路海軍航空隊への入り口として 、門柱、衛兵詰所、訪問者との面会所がありました。現在はそれらをイメージした休憩所が整備され、工事の際に発見された門柱基礎が展示されています。
手彫り防空壕
生々しい戦争の爪痕が見れます。
実物大!紫電改レプリカが展示
第二次世界大戦末期、旧日本海軍が切り札として投入した戦闘機です。
姫路で作られた後、鶉野に運ばれ、飛行場滑走路跡の南西にあった川西航空機姫路製作所 鶉野工場にて「紫電」「紫電改」が 500機あまり作られていたんです。
滑走路跡には格納庫を模した備蓄倉庫があり、第1・第3日曜日に紫電改の実物大模型を公開されています。
プロペラや防弾ガラスの厚み、操縦席に至るまで再現されています 。実物大展示なので大きさがよくわかります。
操縦席の模型もあり、実際に乗ることも可能です。
すぐ近くに鶉野飛行資料館もあり、入館料200円で一部ですが実際の資料も見ることができました。ボランティアの人が詳しく解説もしてくれます。
新たな施設sora加西が建設中
令和4年春オープンを目処に鶉野飛行場跡に地域活性化拠点施設をオープン予定で、「紫電」「紫電改」の実物大模型が展示されるようになるみたいです。楽しみですね。
まとめ
何故「特攻」が考えられ、多数の若者に死を命じなければならなかったのか、この「鶉野飛行場跡」に立っていると、特攻で散った隊員の心の葛藤、特攻に起死回生をかけた青春に多くの若い人の覚悟を知れる貴重な体験ができました。
是非みなさんも行かれてみてはいかがでしょうか。
補足 加西のその他おすすめ観光地を紹介
鶉野飛行場周辺以外にも、加西市にはまだまだ見所が満載です 。
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