【海外建築旅】バルセロナパビリオン訪問記 バルセロナはガウディ建築だけじゃない 魅力や見どころ、訪問した感想など紹介

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モダニズム建築の傑作「バルセロナ・パビリオン」をご存知でしょうか?

バルセロナ・パビリオンは、約100年前、鉄・ガラス・石・水面で構成されたモダニズム建築で、ドイツ人建築家の巨匠 ミース・ファン・デル・ローエが1929年にバルセロナで開催された万国博覧会の際に、ドイツ館として建築した建物です。現在も世界各国からの観光客が訪れていますが、ガウディの建築群に比べてら人が少なくおすすめです。

今回は、バルセロナ・パビリオンの魅力や見どころ、アクセス方法、訪問した感想など紹介していきます!

本記事を書いている僕は、海外建築旅というテーマで、過去に30か国以上訪問してきた経験から、旅のコツを経験をもとに得た情報を発信しています。また、お金をあまりかけずにお得に生活するコツなども紹介しています。

 

ではさっそくみていきましょう。

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バルセロナパビリオンの基本情報

「バルセロナ・パビリオン」は約100年前、19世紀以前の建築様式を批判し、現実に合った建築をつくろうとするモダニズム運動により生まれた、鉄・ガラス・石・水面で構成されたモダニズム建築です。それを代表するドイツ人建築家の巨匠 ミース・ファン・デル・ローエが1929年にバルセロナで開催された万国博覧会の際に、ドイツ館としてこの建物を作りました。建物は、明瞭で簡潔、そして誠実という当時のドイツを具現したものになっていました。

しかし、あくまでも万国博覧会の期間限定の仮設の建物だったため、博覧会閉幕後に取り壊されました。そこで、ウリオール・ブイカスはミースの再建プロジェクトを提案し、建築家 クリスティアン・シリシと建築家 フェルナンド・ラモス、建築家 イグナシ・デ・ソラーモラレスによって復元されました。

現在建っているのは再建になり、ミース生誕100周年の1986年に同じ場所に建てられています。復元にあたっては屋根は鉄骨造から軽量コンクリートに、鉄柱はクロム鋼からステンレスへ、またミースの意図を尊重し壁には大理石が使われています。現在では、近代建築において最も影響を与える作品の一つでもあります。

住所

Av. Francesc Ferrer i Guàrdia, 7, 08038 Barcelona

 

アクセス

地下鉄1号、3号、8号線の「Pl.Espanya(ペル・エスパーニャ)駅」からのアクセスがおすすめです。

地下鉄から地上に出たら、丘にあるカタルーニャ美術館の方向に歩くと、バルセロナ・パビリオンの看板があります。看板の案内に沿って行けばバルセロナ・パビリオンに行くことができます。

入場料金

料金(大人):5ユーロ

料金(学生):2.6ユーロ

料金(16歳以下):無料

年間パスもあり、8ユーロで買うことができます。

営業時間

開館時間(3月~10月):10:00~20:00

開館時間(11月~2月):10:00~18:00

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バルセロナパビリオン訪問記

私は2016年秋にバルセロナパビリオンに行きました。秋でもバルセロナはとても暑く、半袖半ズボンでの訪問です。

バルセロナパビリオンの外観はこんな感じで、とてもシンプルなデザインです。曲線や彫刻、色彩などの複雑な装飾は一切なく、直線だけで作られているので、とても簡素に見えます。

シンプルなデザインは、どこか物足りなさを感じるかもしれませんが、作り出される空間には単純、シンプル、抽象的、幾何学的そして、静寂さを感じることができますね。

というのもミース・ファン・デル・ローエは「Less is more.(極限まで突き詰めたシンプルさ)」を提唱し、「バルセロナ・パビリオン」にその思想を取り入れているため、このようにとてもシンプル。Less is moreは、表面に見える装飾や空間構成などを単純化し、単純化することで内部に様々な外的要因に耐えうる豊かな空間が生まれるという思想なんです。

敷地に入ると池があり、足の指すら浸からないと思われるほど浅く、底もただ石を敷き詰めているだけです。

ここにも抽象的かつ幾何学的な芸術が垣間見れます。

建物の中に入ると、大理石の壁が現れます。建物の西寄りに配置された瑪瑙色の大理石は、南北方向に向きが揃えられ、大理石の良さが最大限に発揮される設計になっています。

ミールが壁の素材として大理石にこだわったのは、反射する大理石を壁にすることで、壁の大理石とスペイン国王のコントラストによって、より国王が際立つためだったと言われています。

中心には、象徴的な赤い「オニキスの壁」があり、「バルセロナチェア」が配置されています。

この石壁の高さは3メートル14センチ。壁の厚さは約20センチ。この壁を立てるために作られたような空間です。中央に赤色の大理石があることで温かみのある空間になっていますね。

奥に進むと四辺それぞれにガラス張りになっているエリアがあります。また、そのガラスも同じものではなく、巨大な透明なガラスを窓にしただけのところもあれば、スモークガラスで中が見れないようになっているところ、ガラスが二重になっているところ、緑色のガラスになっているところなど、それぞれの箇所に特徴的なガラスを用いています。

室内のガラススクリーンは床から天井まで継ぎ目の無い1枚で、外部と内部との境界が曖昧になり、調和された視界を楽しむっことができます。

あと、バルセロナ・パビリオンに貫かれた思想には、もうひとつ「God is in the detail.(細部までコントロールされた美しさ)」があります。

神は細部に宿るとも訳されるこの言葉のように、バルセロナ・パビリオンの建物は隣り合うパーツの目地がずれることなくきちんと揃っています。

細部までしっかりコントロールすることで、緊張感のある美しい空間が生まれ、更に余計な線を見せないようにすることにも気が配られています。よく見ないと気づかないほどに消されている線が沢山あり、そこがバルセロナ・パビリオンの美しさに繋がっています。

直線で構成されているバルセロナ・パビリオンの建物の中に、曲線的でひときわ目立つ存在の椅子があります。ステンレスのフレームとキルト素材を加工した背もたれが特徴的な「バルセロナ・チェア」は、ミースがスペイン国王夫婦のためにデザインした椅子です。椅子に座って休憩することもできます。

バルセロナ・パビリオンは、それまで一般的ではなかった建築物の中に彫刻を置くというスタイルを変え、建築と彫刻を融合させたと言われています。バルセロナ・パビリオンの中庭には、青い瑪瑙石の大理石の壁に囲われ、その抽象的で無機質な中に、彫刻家「ゲオルグ・コルベ」の裸婦像が設置してあります。

バルセロナ・パビリオンの天井を見てみると、一枚の板で建物の外から中まで入り込んでいて、「軒天井」は8本のスチール製の十字形柱によって支えられ、柱自体の存在感はほとんどありませんでした。空間が広くとれ、パビリオンとしては使い勝手は良かったんでしょうね。現在では、こういったデザインの建築も多いですが、当時ではかなり異質なものだと思います。

まとめ

バルセロナと聞くとアントニオガウディの建築を思い浮かべる人が多いと思いますが、ミース・ファン・デル・ローエ設計のバルセロナパビリオンもスペインを代表する建築物です。見た目はとてもシンプルな建築物ですが、その根底にある思想やこだわりを知れば、建築巡りも満喫できると思います。バルセロナに行く際は是非行ってみてはいかがでしょうか。

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