【フランス・世界遺産】サヴォア邸訪問記‼︎行き方、料金、建物内部を徹底解説

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世界遺産に登録されているル・コルビュジェの建築作品で最も有名な「サヴォア邸」をご存知でしょうか?

2016年に世界文化遺産に登録された「ル・コルビュジェの建築作品」の構成資産のひとつであるサヴォア邸ですが、パリ郊外の街、ポワシーにあり、セーヌ川を見下ろす高台の森の中に建っていて、観光するのにはガイドブックにも載っていなく、行き方や料金などわからないことが多くあると思います。

今回は、世界遺産に登録されているル・コルビュジェの建築作品、モダニズム建築の傑作とも言われるサヴォア邸の建物内部のレビューや、行き方、料金など解説していきます。

本記事を書いている僕は、海外建築旅というテーマで、過去に30か国以上訪問してきた経験から、旅のコツを経験をもとに得た情報を発信しています。また、お金をあまりかけずにお得に生活するコツなども紹介しています。

 

ではさっそくみていきましょう。

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サヴォア邸ってなんだ?

建築を学ぶ人にとっては有名な建物ですが、一般の観光客の人が行くところではない為、観光ガイドブックにもほとんど載っていなく、あまり知られていない、真新しい世界文化遺産です。

1929年に、保険会社重役のピエール・サヴォアが週末住宅として、ル・コルビュジェに設計を依頼した建物です。「明るい時間」と名付けられ、あまり住み心地が良くなく持ち主が使わなくなり、その後は家畜の資料小屋と使われたり、大戦中には、ナチスの宿泊施設としてもつかわれたりもした建物ですが、近代建築の特徴を生み出した20世紀の住宅として最高傑作であり、今でも訪れた人を惹きつける建物です。

世界遺産として登録されているサヴォア邸とはどんな建物なのか、どんな特徴があるのかみてみていきましょう。

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どこにあるの?アクセスの仕方

サヴォア邸を見学するには、フランス、パリ郊外にあるポワシーという街まで行く必要があります。地図で見てみると、パリの北西に位置しています。

パリからは、RERという高速地下鉄を使って行くことが可能です。サヴォア邸へ行くには、このRERのA線Poissy行きに乗り終点Poissyで下車します。

パリからの所要時間は約30分程で行くことができ、Poissy駅からサヴォア邸までは歩いて約20分程です。

ゆるやかな上り坂を進み閑静な住宅街を抜けて行きます。

途中の目印になるのは、ノートルダム教会です。

このノートルダム教会を通り過ぎ大きな交差点に出ますので、VillaSavoyeの文字が書いてある標識の方向へ進みます。

進んでいくと白い四角い建物が現れていきます。敷地に入り木々が生い茂る庭を進むとサヴォア邸が出てきます。

観光料金

サヴォア邸の入場料は、7から8ユーロで、時期によって若干流動的のようですが、日本円に換算すると約1000円ぐらいです。

開館時間は、1月2日から4月30日の期間中が10時から17時まで、5月2日から8月31日の期間中が10時から18時まで、9月1日から12月31日の期間中が10時から17時まで見学できるようになっています。

休館日は月曜日となっています。

サヴォア邸訪問レビュー

敷地に入るとシンプルな形の建物が目に入ります。外回りも見る角度によって印象が変わります。そもそも、ル・コルビジェは、数本の柱に支えられた長方形の白い箱というイメージを提案し設計しています。サヴォア氏の抽象的な表現を具現化し、その時に提唱していた近代建築の5原則を厳格に取り入れ見事に昇華させた作品を作り上げています。

 

5原則の内の1つ、ピロティー自由なファサードが外観から見てよくわかります。

ピロティとは、建物の一部が独立柱によって支えられている場合、独立柱によって構成されている空間のことを言います。
ファサードとは、建物の正面から見た外観のことで、語源はフランス語のfaçadeです。母体建物から独立し、ピロティ上に自由に配置されます。

サヴォア邸でのピロティの特徴は、ピロティによって支えられた2階部分を空中に浮かぶように見せている点です。また1階の特徴として目を引くのが、建物の3面にまたがる車寄せです。車の使用を前提に設計された結果、ピロティと外壁の間のスペースが広く取られ、車が通れるようになっています。

サヴォア邸の北側は1階部分が半円状になっていますが、これは車の回転半径に合わせた設計になっています。保険会社を経営するブルジョワジーだったサヴォア家は1人1台ずつ計3台の車を所有していました。車は半円構造の中心にある入口の前で停まり、運転手がそのまま西側にある3台分のガレージへ回って車を置く仕組みになっています。

建物の中に入ると階段やスロープが現れます。階段やスロープが建物の1階と2階をプロムナードのように接続されています。

プロムナードとは、フランス語で散歩や散歩道という意味があり、建物の外と内の境界を消滅させるものです。ル・コルビュジェは、「家は、何も妨げずにオブジェのように芝生の上に置かれている」と言っています。

玄関へ入るとすぐに現れるスロープと螺旋階段によって、メインエントランスである2階へと外からの散歩をするように導かれます。手すりも、リノリウム製で、なだらかに2階へと導かれています。

スロープの正面扉を抜けると広々とした2階のリビングになります。リビング正面には、当時の建築物の常識では考えられなかった大きな窓が取り付けられ、専用の椅子に座ってゆったりと中庭のテラスを眺めることができます。

リビングからテラスへと続く水平窓が屋外空間との一体性を感じさせると同時に、屋内でも屋外でも変わらず周辺の風景を切り取るという特徴を見せています。内部への採光と内部から見える景色を優先して自由に設計しています。

また天井には、サヴォア婦人が工場で使われていたのを見て気に入った、というスチール製の細長い照明器具(吊り下げ式ランプ)が使われています。

時代を先取りしたデザイン性や色使い、そして圧倒的な開放感などに目を奪われます。

5原則の内の1つである連続水平窓は、人々の暮らしにとって最も身近に感じられるものになっています。産業革命以前には考えられなかった、水平方向に開く大きな窓の出現によって、光と風と香りが内部に取り込まれ、このことによってどのシーンにおいても外部の風景を切り取って見せています。

スロープを登り進めると、屋上庭園にでます。この屋上庭園も近代建築に関する5原則の一つです。

今でこそ屋上の緑地は当たり前ですが、それまでの建築様式では、平らな屋上という考えは全くありませんでした。ル・コルビジェは、建物を長方形の直線的な箱にすることで屋上に平面空間を造り、庭園として利用しながら、空と建築物との直線的でシャープな景色を目指しました。

屋上部分に囲われた空間を設けプライバシーを確保しながら、壁の北側をくり抜き窓を作ることにより、景色を切り取るフーレームのような役割をしています。曲線になった壁もデザインされ、その曲線は1階部分の曲線に呼応しており、カメラの絞りのように視点を収束する壁の穴を通して、手すりの延長線上にあるセーヌ川流域を眺めるようにでデザインされています。

椅子も設置されていてセーヌ川からのそよ風に打たれながらゆっくりすることもできます。

階段を降りていくと2階の水回りの部屋に進んでいきます。浴室は、面白い形状をしていました。黒い部分は、長椅子のようです。ゆるやかな仕切りだけの浴室は、日本では湿気やカビなどの問題からあまり見られないので、新鮮な印象ですが、ここにも近代建築の先駆けとなったものがあります。

鉄やコンクリートという新しい素材が誕生し、ル・コルビジェは、それを積極的に採用することにより、組積造で必要とされた内部の大きな壁を必要としなくなり、内部の仕切り壁を好きな場所に自由な設計をできるようになりました。この自由な設計も近代建築に関する5原則の一つです。

キッチンには、収納棚と料理を出し入れする窓口が備えられた調理場を通って出入りします。

訪問レビューの要点 近代建築の5原則を紹介

  1. ピロティ
    :地面から建築を解放し、交通と植物、運動のための場に。
  2. 屋上テラス(庭園)
    :屋上と空を解放し、日光浴、運動、菜園の場に。住居を湿った層で保護。
  3. 自由な平面
    :部屋の形や配置を構造壁から解放。間仕切り壁で自由につくれる。
  4. 横長の窓
    :自由に大きい窓がつくれるため、建物内部を一様に明るくできる。
  5. 自由なファサード
    :絵画を描くように自由にデザインできる。
管理人兼庭屋の家

サヴォア邸の敷地に入る途中に似たような建物がありますが、この家はメゾン・ミニマム・ユニファミリアルによって建設された唯一の建物です。

まとめ

フランス、パリ郊外のポワシーという街の中に佇むサヴォア邸は、20世紀の住宅の最高作品と称され、世界遺産としても登録されたル・コルビジェの作品群の中のひとつです。

このル・コルビジェが残した世界遺産は、一般の人にはあまり知られていない為、観光ブックにも載っていないことが多く、観光客が少なくてとても静かで見学しやすいです。

パリに行ったらこの世界遺産を是非一度見学してみてはいかがでしょうか!!

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