建築学生の方や建築士の皆さんは、建築家・黒川紀章をご存じの方が多いかと思います。
黒川紀章の代表作品として有名な中銀カプセルタワービル、国立新美術館、クアラルンプール国際空港、福井恐竜博物館などたくさんありますが、今回は世の中の人がほとんど知らない建築物があります。
今回は、その知られていない建築物を1つ紹介します。その周辺には建築めぐりに最適な建物もたくさんあるので合わせてお伝えします。
目次
本記事を書いている僕は、過去に30か国以上訪問してきた経験から、旅のコツを経験をもとに得た情報を発信しています。また、お金をあまりかけずにお得に旅するコツなども紹介しています。
今回紹介する作品は黒川紀章の設計データにありません
今回紹介する作品は黒川紀章の建築作品データにも載っていなく、建築士方々もほとんどが知らないと言う建築物なのです。
ずらっと詳細を載せましたがやはり載っていません!
小規模建築物にもかかわらず、建築総工費が2億円もかかったその建物はこちらです。
シロトピア記念公園休憩所 扇観亭
姫路城の裏手には、シロトピア公園という姫路城を裏側から静かに見れる公園があります。
そこの片隅にあるのが、トイレと休憩所が一体化した「扇観亭」という休憩所です。
扇観亭の建築物は初めて聞いたよ
どんな経緯で作られたの?
ざっくり説明すると、むかし「ふるさと創生一億円事業」で、姫路市が2億円かけて作った建物で、トイレに1億、休憩所に1億といわれ、ついた通称が「2億円トイレ」ですね。
なんと屋外トイレなのに、冷暖房と自動ドアを完備したゴージャスなトイレで、休憩所からはガラス越しに国宝姫路城を見ることができます。
詳細
所在地: 兵庫県姫路市
設計/竣工 1992年ー1993年
建築面積:161.45m²
延床面積:126.49m²
鉄骨鉄筋コンクリート造 一部鉄骨造
地上1階
建築構法
どんな建築設計がなされているの?
姫路城公園内に計画された休憩施設で、写真をからわかる様に円形の修景池の端に左側が休憩棟と右側が便所棟が別々に自立して建ちつつ対峙しています。
対峙しつつも、見る見られるインタラクティブな関係にあるため、外壁はタイル貼、打放しと変化しており、休憩室側から打放しの局面の壁越しに姫路城を眺めれます。
家具は、江戸シリーズのデザインの踏襲であるが、素材はアルミであり、不特定多数の訪問者に耐えるものですね。
半月形、円形の池、球面の一部をなす屋根はいずれも単純な幾何学形であるが、それに歪みを与える構成のようです。
注意 2021年現在改装中のため使用不可能みたい
2020年秋ごろからトイレの方を改装中で使えないのでご注意を。
トイレが綺麗に生まれ変わるのは良い事ですね
補足 シロトピア記念公園の周辺は建築巡りに最適です
シロトピア記念公園の近くには、有名な建築家が設計した建物がたくさんあります。
ざっと近くの建築物を載せときましたので是非、足を運んでみてください。
姫路文学館 設計 安藤忠雄 竣工 1991 年
立方体やシリンダーを組合せたユニークなデザインが望景亭 (登録有形文化財) とあいまって周囲の古い町並みに新しい風景を添えています。
兵庫県立歴史博物館 設計 丹下健三 竣工 1982 年
姫路城の特別史跡内に建ち、石張りの外壁とガラスの階段室の対比が印象的ですね。白鷺城を意識し白に統一され、敷地内の一角でガラスを眺めると、姫路城がパズルのように映し出されます。
姫路市立美術館 設計 宮本平治 竣工 1913 年
旧陸軍第十師団の兵器庫・被服庫として建設。戦後に姫路市役所として利用されていた建物を再利用し1983年大蔵前公園に市立美術館として開館。ガス燈がWC 設置され、赤レンガのライトアップと共に美しい夜間景観を醸し出しています。
有名な建築家の建物がこんなに近くに揃っているのは良いですね
さらにあった?姫路城周辺の知られていない建築を紹介
世の中の人がほとんど知らない建築物を1つ紹介します。
望景亭ってみなさんご存じでしょうか?
大正時代に建てられた近代和風建築の回遊式庭園で、安藤忠雄建築の文学館の水景庭園とマッチした庭屋で、姫路城の隣にある好古園という庭園が有名ですが、この望景亭は有名観光誌にも取り上げられていないので、ほとんどの人が知らない回遊式庭園だと思います。姫路市民の方でも、10人に1人が知っているかどうかのマニアックなスポットです。
是非ここも訪れてください!!詳しくは以下の記事で紹介しています。
【ほとんどの人が知らない庭園】庭屋を味わうなら望景亭 近代和風建築の水景庭園が姫路市にあるぞ 入場料無料
そのほかの気になるトイレも見てみよう!
京都の東福寺に日本最古のトイレがあるのをご存知でしょうか?
全国ニュースで、東福寺の東司という建物に車が突っ込んだというニュースで、その建物が日本最古のトイレだったのかといことに話題になりました。
深さ約30センチの穴でできたトイレ約20個が2列に並ぶ日本最古のトイレは、寺の修行僧100人以上が一斉に駆け込んでいたことから「百雪隠(ひゃくせっちん)」とも呼ばれています。
【京都】日本最古のトイレの遺構があるぞ!どんな感じなのか訪問してみた
まとめ
いかがだったでしょうか?おそらく黒川紀章が好きな人でも、扇観亭を知らない人が多かったと思います。総工費2億円という額に驚きですね。そんな2億円の休憩所は日当たりもよく、開放感がありとてもゆっくりできるスペースとなっているので、姫路城に行くときは是非このシロトピア公園のこのトイレ兼休憩所に立ち寄ってみてはいかがでしょうか!
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